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あるペシミストの日常
玉砕。

メアドを渡そうとした


黙って帰ろうと思った足を 必死で止めて

ものすごく勇気を振り絞って



でも断られた

手が少しも動かないままに




「決まりですから」

と言ったその人の表情は とても困った様子で





困らせてしまった。



受け取ってもらえなかったことより

そのことにひどく狼狽してしまった




不自然じゃない笑顔でその場を後にするのに

ものすごく自分を奮い立たせて

振り返る勇気もなくて 急ぎ足で 帰る


仕事で いつも笑顔を浮かべているのに

その方法を忘れたみたいで きっとぎこちない表情だったと思う

優しい人だから 心配するかもしれない





どうして受け取ってもらえると思ったんだろう

どうしてあんな行動に出たんだろう

困らせるって予想はできたはずなのに

うまくいかないって半分はわかってたはずなのに



ごめんなさい ごめんなさい

posted by ほしょ | 21:34 | つぶやき。 | comments(0) | trackbacks(0) |
「おくりびと」
先週の月曜、母と観て来ました。
同じ仕事をしている身なのでレビューという点では至らないかも。


うちの会社でも話題で、鑑賞券が配布されたりしましたです。

先に、映画をコミック化したのを読んで行きましたが
細かいエピソードはそのまんまではなかったです。


同職なので厳しい目(笑)で観ましたけど、全体的にはよかったです。
寧ろ、“見せ方”の勉強になったほど。(ご遺体を扱う手付きとかね)

この仕事が受けやすい誤解とか差別なんかも描かれていて、
グッと主人公に感情移入してしまう部分もありました。

葬儀シーンもリアルに描かれてて、
ご葬家役の皆さんの演技も真に迫ってて素晴らしい。
「あるある〜」って頷けることも多々ありました。



ただやっぱり映画であるだけに、
きれいな面ばかりがクローズアップされてたのが残念。

中に死後2週間というご遺体のケースが出てきますが、
ご遺体の状態はチラッとしか映されませんでした。
孤独死の部屋の乱れっぷりばっかりが映ってて…
モックンの嘔吐演技は見事でしたけどね。



それでもこの映画のおかげで、
納棺師になりたい!って人も多く出てくるんじゃないかと思いますが

現実はあんなに甘くないです(笑)

給料だって映画ほど高くいただいてませんよ。
サラリーマンですからそれ相応です。

上記の死後2週間みたいなケースも山ほどあります。
状態が悪いご遺体に当たることのほうが多いですし
モックンが吐いてたニオイなんて
強弱はあれど寧ろ日常茶飯事です。

ご葬家の悲しい感情をまともに受けるし、
ものすごく神経使う仕事ですお。
覚えることも多いし、ホテルマン並みの接客力も必要ですし。




でもそのぶん、やりがいはハンパないです。

映画の途中、悲しみのあまり感情の持って行き場がなく、
苛立つあまり遅刻した主人公たちを怒鳴る喪主が出てきます。

「死人で稼いでるくせに」というような言葉で。

でも最後は、主人公たちの手できれいになった妻(故人)を見て
「先ほどは失礼、ありがとう」と言って頭を下げ、干し柿をくれます。

感情が変化するんですね。


そうすることができるのが、納棺師なのだなと思いました。

おいらも現場で感じることがある、やりがいの一つです。




最後に、映画中に思った呟き





山形の山奥であんなに施行件数あるのか?(山形県の葬祭業の皆さんごめんなさい)
posted by ほしょ | 02:00 | れびゅー | comments(0) | trackbacks(0) |